9月3日

ついに最終日を迎えた。 この日の朝の時点で柳沢選手の順位はN/4クラス5位、ノンプライオリティエントリーでは1位と、なかなかの位置につけている。 前日までの走行タイムがPCWRC登録車の後半ゼッケンよりも速いと認められ出走間隔が2+1minになり、更なる順位上昇への期待もかかる。 朝のサービスでも少し余裕が出てきた感じで、メカニックの方も落ち着いて作業をされ、定刻どおりに車を出せた。


Leg1,2では、陸別方面のSSが使用され、サービスパークからの移動距離も長く、お昼のサービスは1号車で12時20分から、夕方のサービスは19時05分からに設定されていたが、Leg3では午後にポディウムフィニッシュが設定されていることもあってか、移動距離の短い新得方面のSSが使用され、お昼のサービスが10時00分から、最終サービスが14時22分からに設定されている。 このため前日までに比べ車が帰ってくるまでの時間はかなり短く感じる。


この日は朝のサービス後、タイヤ管理等の仕事を終えたあと、サービスパーク内を散策してみた。 通常のサービス時間は過ぎているが、トラブルを抱えた車両を懸命に修復しているチームや、リタイヤしてしまい既に片付けに入っているチーム等いろいろあったが、その中になんと、クラッシュしてサスペンションアームが曲がってしまった車両をローダー上で修復しているチームを発見! ラリー屋さんと呼ばれる人たちは、クラッシュしてしまった車両を限られた条件、限られた時間で自走可能な状態に修復してしまう、ディーラー等ではそのような方法では保証できませんといわれてしまうような独特のノウハウを多く持っているというが、今そこにある工具のみで破損部品を巧みに取り外している様子に、そういったノウハウの片鱗を見た気がした。


お昼のサービス、この後はSSを3箇所走ればフィニッシュである。 さすが名門チームなだけあり、ここまで大きなトラブルは皆無。 前後のチームとそれぞれ1分ほどのタイム差も生まれ、順位も安定したかに見えるが、チームとしては”上2台のラテン系全開タンゴチーム”が何かしてくれることを期待しつつ(笑)。
ルーティーンの作業を確実に済ませ、車を定刻に送り出す。 最終日ともなるとファンの方も多く、ドライバーの柳沢さんも声援に応えている。 多くの方が見ている中でも、ミスをせずに作業でき少しほっとする。


後はフィニッシュ前に最後のサービスを残すのみだ。 これが最後と少し気合を入れてタイヤを洗う。 CUSCOのスタッフの方が定期的にSSのリザルトをプリントアウトしてブースのテントに持ってこられるのだが、最終日ともなると特にその結果が気になる。 と、午後一番のSSでリザルトに異常発生!! なんと、これまでグループN首位を走行していたラトバラ選手がリザルトに載っていない?? 後で知ったのだが、実はラトバラ選手はSS25でクラッシュ、これにより、グループN首位は前半パンクに悩まされ、思うように順位を上げられなかった奴田原選手に入れ替わり、我らが柳沢選手の順位も1つ繰り上がっていたようだ。
まだ最後のサービスは残っているが、お昼を食べた後片付けを始めた。 使用済みのタイヤアルミを横浜ブースに持っていき、横浜のブースから次のラリー(全日本第8戦 赤井川)用のホイールを運んで戻る。 スペアパーツやケミカル類、工具をGTトラックの2階に収納する。 間抜けにも荷物を収納する為に高さを下げられていた2階部分に、トラックに飛び乗った際に頭をぶつけてしまった。 痛い。


そうこうするうちに、SSを全て走り終えたラリーカーが、無事にサービスに帰ってきた。 メカニック、スタッフ、皆で拍手をして選手を迎え、完走を祝福する。 ファンの方からは花束まで戴いていた。
最後のサービスは、一応これまでのサービスと同じように各部のチェックも実施する。 以降の競技走行は無いのでごく簡単に済ませるのかというとそれは違っている、しっかりとこれまでと同様の完璧なチェックをしていた。 唯一省かれていたのはアライメントチェックと水の補充ぐらいか。 スペアタイヤなども以降は使わないので降ろしてしまう。 我々学生は、晴れの舞台となるポディウムに向け、一段と気合を入れて洗車をする。 3日間ハイスピードでグラベル路面を走行し、時に前走車の跳ね上げる土煙の中を走り、時にジャンプをして砂利の中に着地する。 当然ボディには激しい走りを物語る多くの傷がついており、そういった傷を洗車で消すことはできないが、土や埃は細かいところまで徹底的に清掃する。
ポディウム後の再車検に向けライトポッドを装着、カバーについているIPFロゴの向きをしっかりそろえ、全ての作業が終了! 柳沢選手はポディウムに向かって走り去っていった。


そしてポディウムフィニッシュ。 メカニックの方は片付けを続行されていたが、他のチームのメンバーは柳沢選手のポディウムを見ようと移動する。 ポディウムでは既にワークスの表彰が始まっており、人垣もかなりできている。 一度VIPスタンドの裏とかにも回ってみたが、なかなかポディウムは見えず、アナウンサーの声、音楽だけが真横のスピーカーから聞こえる。 これは直接ポディウムを見るのは無理かなーと思ったところで、またしても名門チームの特権?が発動。 なんと、スバルワークスの裏手、ポディウムの真横にあったコンテナの上に登れてしまった! ここからだとポディウムに登る車は非常に良く見える。 さすがに受け取っている記念品の形まではわからないが・・・ 最終的な結果は総合12位、グループN(N/4クラス)4位、グループNインプレッサ1位、ノンプライオリティー1位であった。
無事に柳沢選手はポディウムを通過、さてCUSCOブースに戻って片付けを手伝うかと思ったところで微妙な問題が発生。 梯子が・・・ 数分後解決。 この後は、大物小物、大体片付け終わるところまでは片付けを手伝う。 さすがGTトラック、レッキ車まで簡単に格納できてしまうのにはちょっと感動。 トランスポーターとまでは行かないまでも、ローダーが欲しいと感じてしまった。 かなりの量の荷物があったが、ほとんど全てGTトラックに格納できてしまったところで、我々学生は今日中に札幌へと移動する為CUSCOの方々に挨拶をして、サービスパークを後にする。


そしてその日のうちに札幌へ移動。 疲れを取るため夕食後はすぐに眠りについた。