PCM2704C USB DAC

CMI8787-HG2PCI改を搭載していた家族用PCの更新計画に先立ち、古いPCIスロットに依存しない音源を制作しましたとりま、はんだ付けしたかった。

今回購入・組み立てたのは、bispaで委託頒布されていたnabeさんのPCM2704DAC USB-DACキット Ver1.4です。*1

原典からの変更箇所は、キット付属のアルミ電解コンデンサニチコンHN 6.3V820uF)6箇所をOS-CON SEPC 6.3V1000uFに、またnabeさんのサイトの回路改善情報の項に記載のある"R12と並列"*2にOS-CON SEPC 12V100uFを追加した総SEPC仕様です。
キットの標準構成と比較するとやや物量投入路線ですが、音質面以外にも耐久性を重視しアルミ電解コンデンサを排除*3しました。
DCオフセットが大きいようであれば出力カップリングにしようとニチコンMUSE ES 50V4.7uFも事前に用意していたのですが、テスタで計測したところRch1.9mV/Lch1.7mVのオフセットに収まっていたのでここは原典に習いジャンパとしています。
チップコンのはんだ付けがチョー下手っぴなのは見なかったことにしてくださぃ・・・

エージング状態での1発目の音出しですが、CMI8787-HG2PCI改の代わりにEdifier R1800改に接続して鳴らしてみたところ、、、駄耳に設置条件の悪いSPの組み合わせでぶっちゃけ違いがイマイチわからない。明確な音質改善もないけど悪化もない、これはSPがボトルネックになっている?

そこでプリメインアンプA-924のTAPE1にSE-200PCI LTD改を、TAPE2にPCM2704DAC USB-DACキットを接続し、ほぼ同時に同じサンプリングレート44.1kHzの音源を2系統で再生しセレクタで切り替えて*4聴き比べてみましたが、SE-200改の方が楽器それぞれの音の質感やヴォーカルの艶は優れている・締まったスピード感のある低音ながら重低音領域までしっかり鳴らしきっている印象、PCM2704キットはDC直結が効いているのか音の透明感は僅かに優れる・乾いたストレートな鳴り方をする・重低音領域は僅かに甘い印象。S/Nや歪み、解像度などは常識的な音量で聞く限り大きな差は感じられず、総合的にはSE-200PCI LTD改の方がより好ましく感じられました。
PCM2704キットのLPFを構成するLT1363と、SE-200改のVLSCを構成するLT1364は回路数が違うだけで基本的に同じオペアンプICなのですが、テスタ計測値+3.8/-3.9Vで駆動されるPCM2704キットより、PCIスロットから+12/-12Vの供給が受けられるSE-200改の方が電源電圧分だけ有利だった感じでしょうか。

作業中のBGM等に長く普段使いしたかった、ハイレゾ対応は必須ではなかったので、必要十分以上の高音質が確保されており、USBバスパワー動作・USB Audio Class 1.0対応でドライバを気にせず使える手軽さも含めバランスの良いキットだと思います。
CMI8787-HG2PCIは購入タイミング的にある程度覚悟はしていたもののあまり長く使うことができなかったので、今度のDACは長く使えることを期待しつつ。しばらくはエージングがてら色々鳴らして楽しみます。

//脱線ネタですが、ルーペ付LEDアームライトおすすめ。老眼な母のミシン作業にとオーム電機エルズームをちょっと前に購入したのですが、チップコンのハンダ不良が大変良く見えます(笑)

*1:自分が購入したものがVer1.4最後の1個だったようです。その後出力LPFがオペアンプレスに改良されたVer2.0に切り替わっています。

*2:基板上にCxとして実装用スルーホールが用意されています。

*3:ニチコンHNの105℃2000時間に対しOS-CON SEPCは105℃5000時間の耐久性が謳われています。

*4:スピーカーから再生される音圧レベルをある程度揃えるために、SE-200改では量子化bit数16bitの音源をWinampでボリューム31%に設定・32bit出力しているのに対し、PCM2704キットはbit by bitで出力しているので、厳密にはSE-200改がハードウェアのダイナミックレンジを使い切れていないやや不利な条件ですが、アナログアンプのボリュームを調整するよりは純粋に音源の比較試聴ができているんじゃないかなと。