Chapter.6 - Epilogue

さて、ここまでエンジンオイルに関して一通りまとめてきた。 自動車が高性能化、特に近年の環境性能の目覚しい向上に伴い、エンジンオイルにも多くのことが求められ、数々の進化を繰り返してきた。 ベースオイルに関して言えば、エステル類を除き、ほぼ研究開発は終わっている感がある。 しかし、エステル類や、これまでは自動車用潤滑油として使われていない物質、新たな精製、改質法の開発など、まだまだ基礎性能向上の余地は残されている。 また添加剤に関してもまだまだ多くの可能性を秘めた未知の領域が残されている。 今後もエンジンの性能向上に合わせ、オイルの性能も向上していくだろう。
最後に、特に添加剤として、重金属類を初め多くの環境に影響を与える物質が現在のオイルには含まれている。 いくらエンジンが高性能化し、オイルが高性能化し、ロングドレイン性能が向上しても、オイルは消耗品であり、エンジンの性能を維持し、故障を未然に予防する為に定期的なオイル交換は必要である。 オイルを交換せずに放置することはエンジン性能の低下だけではなく環境破壊要素を増やすことにもなる。 いくら地球温暖化への悪影響が少ない省燃費オイルでも、交換したオイルをいい加減に処理すると、即周辺の環境を汚染し、結局は自分自身に害として帰ってくる。 適切なオイル交換は地球に優しい、その意識持ってエンジンオイルに接する必要があると感じた。