出力カップリングコンデンサ換装x2(続・SE-200PCI LTD改造&続々々・HPF)

2コ前の記事で、長いことノーマルで使っていたONKYOサウンドボード、SE-200PCI LTDのオペアンプ換装に関しては書きましたが、今回さらに、オペアンプに続き2chアナログ出力系統のカップリングコンデンサを載せ替えました。

ぐーぐる先生に先人の知恵に関して伺うと、出力先がそれなりにまともなアンプで十分なインピーダンスがある場合、標準では47μFのUTSJが載っているカップリングを1μFあたりまで容量を落としてもイケちゃうらしい。(まぁ1μFまで落とすとそれなりに低周波領域の信号に減衰が有るらしいですが、聴感上大きな問題になるレベルでは無いらしい)
で、イケちゃうなら、せっかくオペアンプ換装で音、特に高音の質が改善したことだし、ケミコンじゃぁなくてフィルムコン的なものに載せ替えたい。でもちょっと前にフォノイコでやったようなおバカ実装をやってせっかくのノイズシールドが閉じられなくなる事態は避けたい。そもそも隣接スロットに2スロット占有型のグラボの冷却ファンがいたりして寸法的に純正以上の余裕はないし、個人的な考え方としてPC用サウンドボードである以上チップ以外の裏面実装はアリエナイ。
ということで、容量に対して比較的サイズが小さめなメタライズドポリエステルフィルムコンデンサの中から、今回はアキバの若松でポリプロピレンフィルムコンデンサとして売られていた(店頭で確認したらやっぱりホームページの記載ミスでした。まぁ若松だしw)、ニッセイMMTの2.2μFをチョイス。
WIMA MKSシリーズでも良かったんですが、低音に癖が有るような評価を目にしますし、ロットにより音どころか内部構造まで変わっている?みたいな微妙な情報もあり、、、対してMMTは概ね"悪くない"という微妙だけど無難そうな評価が目立ったので。Panasonic ECQVにしなかったのは寸法的なマージンを少しでも取っておきたかったのと、この容量で高音に歪み感が有るとのレビュー記事を見かけたこと、そしてカップリングぐらいは周りと違う色のコンデンサにしたかった(アホ)ためです。
この容量を選択したのは単に若松で特売されていた(税込み189円、より容量の小さい1.5μFだと200円とか。さすがに1μF付近まで落とす勇気はなかったw)のと、ケースサイズ(MMT最大容量の3.3μFだと横倒し実装しないとノイズシールド内に収まらず、ソケット化したオペアンプやその他周辺のコンデンサと干渉する可能性が高そうな気がした)による物です(ぇ
結果、まぁどっちにしろシールド閉じると見えなくなるんですが、いかにも純正でこの状態です、みたいな無理をしていない実装で収まり、一人自己満足です。


 追記
一応SE-200 -> LHPA間のHPFのカットオフ周波数計算して検証してみました。
LHPAの入力インピーダンスは組み立て説明書の記載によると"標準仕様で30kohm"。これオペアンプ載せ替えちゃうと数値変わっちゃう気がするのですが、各オペアンプごとの数値を全部計算するのはあまりに面倒(と言うか多分無意味)なので入力側インピーダンスは30kohmとして計算。その結果
カップリングコンデンサ容量47μFの場合  0.113Hz
カップリングコンデンサ容量2.2μFの場合 2.411Hz
何だ余裕じゃん(ぉ
最近のメーカー製のステレオプリメインアンプなんかだと、入力インピーダンスは30〜50kohmあたりで設計されている機種が多そうなので、1μFあたりまでは容量減らしても問題ない、と言うのは確かなようです。一つ注意したいのは、PCからの出力という時点であまりやることはないんじゃないかとは思いますが、古いアンプやプロ向けの機材など、入力インピーダンスが600ohmで設計されている物があるようで、その場合は容量減らしすぎると低音ガガガ。。。

まぁ純正状態では、可能性は低くともそのような機材がある以上、600ohm機材を接続した際の20Hz~の音声帯域における信号レベルの平坦性を考慮した47uFという容量が必要になり、実装上・コスト上の都合から電解コンにせざるを得なかった、といった所でしょうか。
一般的な評価としては、電解コンよりもフィルム系のコンデンサのほうが音質面では有利とされているので、接続機器との兼ね合いを見て、容量を減らすことによる弊害(低周波成分の減衰)とのバランスでフィルム化が出来る場所はやってみる価値はあるかもよ?な感じです。
 追記オワリ


続きまして、1コ前の記事で検証したヘッドホンアンプのカップリングコンデンサ

XBA-C10を買ってしまった以上はHPAにもつないで鳴らしたい。容量を落としてSILMICに載せ替えた経緯から、330μFに抑えるかはちょっと迷いましたが、結局UTSJの470μFに載せ替えました。

 インピーダンス24ohmの場合
カップリングコンデンサ容量1000uF 6.6Hz
カップリングコンデンサ容量470uF 14.1Hz <-今ココ
カップリングコンデンサ容量330uF 20.1Hz
カップリングコンデンサ容量220uF 30.1Hz
カップリングコンデンサ容量150uF 44.2Hz
カップリングコンデンサ容量100uF 66.3Hz

 インピーダンス60ohmの場合
カップリングコンデンサ容量1000uF 2.6Hz
カップリングコンデンサ容量470uF  5.6Hz <-今ココ
カップリングコンデンサ容量330uF  8.0Hz
カップリングコンデンサ容量220uF 12.1Hz
カップリングコンデンサ容量150uF 17.7Hz
カップリングコンデンサ容量100uF 26.5Hz

今回は耐圧を16Vに落とした事もあり、以前のSILMIC IIよりも更にケースサイズは小型化、電源平滑用のOS-CON SEPCとほぼ同じサイズに収まっています。どっちもシルバー系のスリーブで、以前の茶色スリーブなSILMICより多少派手になりましたが、統一感はありこの見た目も悪くありません(先にそっちかw

さて肝心の音ですが、2箇所を同時に載せ替えたためどこまでがどちらによる変化かちょっと曖昧な部分もあるのですが、、、一つ確実に言えることは、100μFのSILMIC、やはり容量的にはちょっとやりすぎていたかもしれません。
ATH-A55で聞いている限り、中音〜中高音の領域、特にヴォーカルや弦楽器の鳴り方等には独特の艶があり、とにかく聞いていて気持ちのいい音ではあったのですが、470μFのUTSJと比較すると、低音の厚みにそこまで大きな差はないものの、その下の重低音領域はバッサリカットされていたと気付かされました。Bobby Womackなんかを聞くと音の迫力がまるで違います。カタログでの再生周波数帯域5Hz〜はやや微妙なところですが、なだらかに落ち込むカマボコ特性ながらかなり下までしっかり出ています。
また低音の量感が薄かったXBA-C10でも下からしっかり出力され、BAドライバの繊細な表現力もいっそう際立つ感じです。まぁこっちに関しては、HPFのカットオフが20Hzを下回ってもやっぱり重低音成分は出ない、と改めて認識する形にもなりましたが、まぁそもそもそこに期待するドライバーではないのでこれは問題なし。
容量増加で狙った低域特性の改善、接続するヘッドホンのインピーダンスによる得手不得手をなくすオールラウンダー化といったところはほぼ狙い通りで成功と言えそうですが、ハイインピーダンスヘッドホンを接続した際にもモコモコ感やボン付きが出ず、スピード感の有る適度に締まった低音が出るのはさすがUTSJといったところか、はたまたサウンドボード側の容量削減&フィルム化が効いたのか、といったところです。
低音以外の領域では、SILMIC独特の艶はやはりというか残念ながら失われ、だいぶスッキリとした透明感の高い表現に変化しました。その代わりにと言ってはなんですが、高音領域での解像度や音場の広がり感・奥行き感・定位は更に一段向上した感じです。
サウンドボードオペアンプ換装の効果を更に引き出し、良い部分を伸ばすことに成功している感じでしょうか。全体としてはややカマボコ強め特性だったのものがよりフラット方向に振られた感じですが、それによりこれまでSILMICの艶もあり際立っていたヴォーカルが他の音に埋もれることもなく、まぁバランスの良いところに綺麗に収まったんじゃないでしょうか。
また副次的な効果として、SILMICの頃は癖の上塗りになってイマイチ好きになれなかった(HPAの)オペアンプが結構いい音で鳴ってくれます。具体的にはアナデバのOP275GPZ。LT1364と比べると解像感に一歩劣りますし、LME49860と比べるとドンシャリ気味のあまりフラットというわけでもない特性ですが、SILMICとはまた違った厚みのある音が出て結構面白いです。これはフォノイコ改造で使ってしまい現在手元に在庫のないOPA2604も聞き直して再評価をしてみる必要があるかもしれません。。。まぁしばらく聞いて結局常用オペアンプはLT1364に戻ったんですけどねー(笑